いや、おもしろいよコレ。73歳のちゃきちゃき婆ちゃんが
20歳に若返ってしまうというファンタジーコメディ。そんな
ジャンルも観るのデス。
女手ひとつで娘を育て上げ、周囲からは距離を置かれる悪態
ぶり、でも気概は人一倍高貴な元気印の婆ちゃんがひょんな
ことでぴちぴちギャル(死語)になっちゃったことで巻き起こす
騒動がとても小気味よくて楽しい。この手の作品にツッコミを
入れるのはナンセンスですが、その分強力な魅力や迫力が
要求されるジャンルでもあります。ファンタジーのくせに妙に
説明セリフが続いたり、役者がハマっていなければ急に冷め
ちゃうんですよね。
この作品においての魅力は、何と言っても若返った婆ちゃんを
演じる多部未華子さん。なんかめっちゃかわいい。今風でない
顔立ちが功を奏して、違和感なく物語に引き込みます。そして
迫力は歌。多部ちゃん、うまいやん。過去を思い出しながらの
歌唱シーンは圧巻です。この演技の説得力を出させているのは
リアル婆ちゃん(?)を演じる倍賞美津子さんのおかげなわけ
ですが、にしても多部さんに依るところが大きい作品です。
また要潤さん、小林聡美さん、志賀廣太郎さん、といった
実力派俳優陣も出過ぎず、ハシャギ過ぎず、ちょうど良い演技
で心地よかったです。その勢いで主題歌の「帰り道」もつい
過剰評価してしまうほど。(^ ^;)
監督は水田伸生さん。「謝罪の王様」での悪ノリを反省した
のか(笑)、バランスの良いコメディ作品に仕上がっております。
韓国映画のリメイクなのでオリジナルでないところは残念無念
ですが、心の洗濯になる素敵な映画です。