なんとなく健康そうな響きがする「カロリー控えめ」。
料理のレシピ集や食事療法など、様々な場面で遭遇
しますよね。果たしてカロリーは悪者なのか?
そもそもカロリーは水1gを1℃上昇させるのに必要な
熱量、という定義です。我々の生命活動にも熱量が必要
なので、カロリーが多いとか少ないとかが健康の
指標に用いられたりするわけです。
そしてその延長で、「肥満はカロリーオーバーの結果
なので制限しましょう。」となっています。糖質の
カロリーに比べて脂質は2倍以上なので、当然この
指針で行けば脂肪カットの食事が推奨されます。でも
ここがミスリードなんですねぇ。
肥満状態では脂肪が多いのは確かなんですが、それは
脂質を食べ過ぎたせいではありません。脂肪細胞を
合成するのはインスリンの作用がメインだからです。
そしてインスリンを分泌させるのは糖質だけです。
つまり糖質の過剰を何とかしないと肥満は防げない
わけです。
でも国が推奨する “バランスの良い食事” は炭水化物が
60%なんですね。そりゃあ生活習慣病が減るわけ
ないと。糖尿病治療の現場でも相変わらずカロリー
制限食がメインで、かつ炭水化物の割合は遵守されている
ので「ほとんどコメで1600kcal」という珍妙な
治療食が提供されています。
カロリー表記をしてある商品やメニュー表がほとんど
常識となっておりますが、それよりもまず気にするべきは
糖質の割合です。