院長室

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湿布多めにください

患者さんからこのような希望を聞くことがままあります。

これは整形外科に限ったことではなく、一般内科でも耳に

するようです。それだけ広く使用されている薬剤と言うこと

ですね。


で、患者さんに「貼ると効果あるの?」と聞くと「うーん、

ま、気休めかな。」と返されることもしばしば。(^ ^;)

どうも安心材料として使っている節がありそうです。


痛みに使用する湿布薬は抗炎症薬という歴とした薬です。

抗炎症薬というのはその名の通り、炎症を鎮める薬です

から赤みや腫れ、疼痛、熱感がある時に適応となります。

転んで足首が腫れている、急な寝違いで首が痛い、など

は適応になろうかと思いますが、慢性に続く膝痛とか、

冷えると悪化する神経痛、なんてのはそもそも適応外なの

ですね。


まあ安全だからいいんじゃね?的に思われてる方もいますが、

抗炎症薬というのは血管を縮めます。そうやって腫れや

赤みを引かせているわけですから、冷えが原因で痛みが

出ている人はむしろ悪化させる可能性があります。実際に

漫然と使用していた湿布を中止したら痛みとしびれが楽に

なった例もあります。是非知っておいてください。


ちなみに湿布薬は保険適応から外される可能性があります。

知人の先生から「整形外科で湿布が保険適応外になったら

大変だね。」なんて言われますが、全然そうは思いません。

市販薬と大差ないものを保険適応にする理由はあまりない

ですし、漢方薬を保険適応外にするのに比べたら、医療費

削減にもメリットがあるからねー。

2015年10月19日 月曜日

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