院長室

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俯瞰する

漢方ではよく、冷えるか火照るか、渇くかむくむか、

などあまり症状に関係ない質問をしたりしますが、

こういう反対の性質のどちら寄りになっているか、

を重要視します。いわゆる二元論です。どちらかに

偏っていれば中間に戻すように生薬をチョイスして

いくのが治療になるわけです。


ただこれは「どちら寄りか」を見ているだけで、

「どちらが良い悪い」を判定しているわけではあり

ません。何事も表裏があるように、捉えようによって

は善の側面も悪の側面も存在するので判定などしよう

もないのですね。


翻って我々自身についても全てにおいて善悪の両側面

があるわけです。長年苦しんでいる症状にすらも見方

を変えれば善の側面があるはずです。性格なんて

そうそう変わりませんから、うまく行かないときや

苦しいときは悪の側面ばかり見てやしないかい?と

問いかけてみることです。


治療法に関してもそれぞれ得意不得意があります。

「これに効く!」なんて宣伝されているときは、逆に

「効かない病態」は何だろう?と考えてみることです。

よくいう「ポジティブ・シンキング」というのとも

ちょっと違って、自分や物事から少し距離を置いて

観察する、という感じでしょうか。善悪両方の側面が

見えてくると、意外と冷静になれるものです。

2015年9月28日 月曜日

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