院長室

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曇天病

そんな病気、聞いたことねーわ!とおっしゃる方は

ラッキーです。確かに西洋病名にこんなものはなく、

カルテに書いても保険は通りません。だけど、そうそう

あるある、と思う方がいるのも事実なんです。


これは気圧の変化があると、痛みや嘔気、重だるさや

倦怠感を訴える病態のことで、まさに最近の変化の

激しい空模様ではよく見られます。でも痛み止めも

効かないし、周りの人は平気だったりするので、何と

なくウヤムヤにしてしまっている人が多いようです。


実はこれ、東洋医学的には水毒(すいどく)という病態

なんです。水中毒(みずちゅうどく)ではありません。

体内の水分が不均衡になっていることを表しています。

不均衡になっていると言うことは、水が余っている

部分と不足している部分が混在すると言うことで、例えば

肌は乾燥するけど足はむくむ、とか、めまいがあるけど

口も渇く、とか言った具合です。


こういう水毒傾向のある方は気圧変化に弱く、上記の

いわゆる“曇天病”が出やすいのです。このブログでも

何度か紹介している五苓散という薬は水毒に対抗する

代表選手です。五苓散には桂枝が配合されていて、桂枝

が「降下」作用を有するため五苓散は頭痛やめまい、

嘔気などの上部の症状によく効く、という仕組みです。


西洋医学的にも白血球のバランスの悪さとこの“曇天病”

を結びつける考え方があり、ひょっとしたら思わぬ所で

西洋と東洋が肩を組むかも知れないと期待しています。


なかなか周りにも、西洋医学的にも理解されない曇天病

ですが、確かに存在し、意外と困っている方も多いよう

です。「あきらめないで!(by 真矢みき)」と言う前に、

まず認知することが先決ですね。(^ ^)

2015年9月7日 月曜日

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