院長室

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点滴の基本

当院では点滴療法としてマイヤーズ・カクテル点滴、グルタチオン

点滴、高濃度ビタミンC点滴、の3種類を用意していますが、

マイヤーズ・カクテルはビタミンCとB、カルシウムとマグネシウムで

構成され、グルタチオンはその名の通り抗酸化作用のあるグルタチオン

の高用量点滴です。高濃度ビタミンC点滴も手抜きじゃないかと

思うくらいネーミングそのまんまの点滴です。(笑)


効果効能は「当院の治療」ページで確認して頂くとして、点滴療法

の大前提となる、点滴の利点と欠点を知ってもらうことも重要です。

点滴の最大の利点は短時間で血中濃度を上昇させることができる点

です。例えばビタミンB群が不足しているからと言って豚肉をたくさん

食べても、個人の消化吸収能力に左右されるし、そもそもそんなに

大量に食べられないし、でそうすぐには効果は現れません。なので、

短期間で病態を改善する必要がある時は腸をスキップして直接血管

に放り込むのが有効なわけですね。保険診療で行う点滴も、基本的

には嘔吐や咀嚼の問題などで経口摂取ができない時に限られます。


そしてそれゆえに、不要なものや腸でブロックされるべきものが

瞬時に入ってしまうのが欠点でもあります。特に問題なのが鉄の

点滴ですが、これはまぁまた機会があると時に。当院の点滴メニュー

の中で注意すべきは高濃度ビタミンC点滴です。高濃度と聞くと超効く

雰囲気がありますが(笑)、活性酸素も高濃度に出ます。それを

癌治療に利用しているわけで、活性酸素を上手く捌けない人には

有害になることもあります。


血中濃度が瞬時に上昇するのが点滴の良いところなので、点滴時間

さえ我慢すれば直後から体が楽になることもあります。忙しい人には

便利ですが、これはなかなか持続しませんし根本治療とは言えませんね。

これも点滴療法の欠点でしょう。当院では栄養療法の一環として点滴

療法を実施しており、基本はやはり食事なので点滴療法は本スジの

治療のサイドメニュー的な位置づけと考えてもらうとよいかな、と。

でも主食を抜けとはこれいかに?なんてややこしいこと言ってみたり

して。

2015年7月2日 木曜日

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