じんま疹や花粉症、起床時のつらさや倦怠感、不妊や生理の不調、
頭痛や関節痛…これらはそれぞれ珍しくもない症状で、かつ同時に
発生することもしばしばです。耳鼻科や婦人科、心療内科や整形外科
と、症状をみると何となく分野が別に感じてしまうのではないで
しょうか?
もちろん各専門科で治療されて改善するケースも多いですが、これら
の症状に共通して関連するのは副腎という臓器です。副腎はとても
小さい臓器ですが、コルチゾール分泌というとても大きな仕事を
しています。コルチゾールは言わば「自前のステロイド剤」みたい
なもので、例えばアトピーや関節痛でステロイドが手放せない人は
コルチゾールがそもそも減っている可能性があります。
コルチゾールが減るということは原材料が足りないのか浪費している
のか、あるいはその両方か、です。コルチゾールの原料はコレステロール
なので血液検査で低値の人は要注意です。コレステロールは高いこと
ばかりが指弾されますが、低い方がよほど不調を招きます。そして
浪費の原因はストレスと糖質過剰です。となると、低コレステ
ロールの人が残業や家庭問題で悩み、糖質過剰な食生活をしていれば
かなりの確率で冒頭の症状が出てくるわけです。
対策はどうすべきか。ストレスは急には無くならないので、食事を
改善することが先になります。空腹時の糖質摂取は厳に戒めます。
そしてコレステロールを増やし、エネルギー代謝効率を上げるために
ビタミンB群とマグネシウムを、ストレスに対しビタミンCを、炎症に
対しEPAを、と言ったところが標準的な処方です。乳製品はマグネシウム
の邪魔をするのでやはり禁止です。さらに便通異常や食欲低下などの
腸内環境悪化がみられる場合は先んじて乳酸菌やビフィズス菌を使用
します。
ストレスが強く、糖質の多い我々日本人は副腎を酷使しているとも
言えます。上記の症状以外にも副腎に由来する症状はあります。
興味のある方は「副腎疲労症候群」で調べてみて下さい。これこそ
まさに生活習慣病だと思います。