カッコイイ言葉で言うとファスティング。昔からある治療法
ですが、最近にわかに注目を浴びているようです。栄養療法
の視点からすると、とんでもない治療法に見えてしまいますが
さて、どうなんでしょう?
言うまでもなく、僕は賛否どっちでもない派です。ファスティング
の本質は「腸の休息と解毒」です。だから腸が疲れていて、
体内に毒が溜まっている人ならば適応となります。糖質制限
でもそうですが、「○○は××病に効く!」という短絡的な
情報だけで開始すると実は適応ではなかったりして、却って
不調になってしまいます。やはり分かる範囲内での理屈を
知ってやるべきですね。
古くは甲田光雄先生、現在では山田豊文先生がファスティングの
著名な医師ですが、やはりアトピーとか喘息の患者さんが多い
ようですね。アレルギー疾患は腸が震源地、ということの
裏付けになっています。冒頭、栄養療法から見るとトンデモない、
みたいに書きましたが、実はそうでもありません。栄養療法を
サプリメント療法と考えるからそう見えるだけで、栄養療法は
端的に言えば、不足分を足して過剰分を削る治療です。過剰分を
削ることはファスティングそのものですし、腸を休憩できれば
不足分を効率よく吸収することにも繋がります。そう考えると
ファスティングも栄養療法の範疇と見る事ができますね。
実は僕も試したことがあります。その時は十分知識がないまま
やってしまって、ファスティングでもの凄く不調になりました。
そして現在、知識を蓄えて再度トライしてみていますが、不調は
出ていないどころか、なかなかイイ感じ。患者さんに勧める
ためにはもう少し経過観察が必要ですが、大事なのはどういう
人に向いていて、どういう人に禁忌なのか、適応を精確に判断
することだと思います。