院長室

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17番活躍中

ドラゴンズの17番と言えば雄太投手ですが、漢方薬の17番と

言えばご存知五苓散です。水毒を治す利水薬というグループの

代表選手ですが、現在大活躍中です。


五苓散はテレビ番組でも紹介されたので随分メジャーになった

漢方薬の一つです。めまいや頭痛に良いとか、二日酔いによいと

紹介されることが多いですね。この五苓散がなぜ活躍中なのかと

いうと、嘔気や下痢も緩和する作用があるからで、胃腸風邪全盛の

現在、大変重宝されているのです。


特に小児の場合、下痢や嘔吐が続くと脱水の危険性があります。

そもそも胃腸風邪には特効薬がないので、せいぜい整腸剤を処方

されて少しずつ水分を摂るよう指示されるだけだと思います。ここで

五苓散が活躍するんですねぇ。お湯にといた五苓散を、お尻から

注入するのです。これだと水分を摂るだけで吐いてしまう子にも

有効です。2〜3回やると随分嘔吐も下痢も軽くなります。


嘔吐が激しい場合は、五苓散に小柴胡湯という薬を合体させた

柴苓湯という薬の方が良いです。小柴胡湯には嘔気を抑える

半夏+生姜という組合せと、胸から腹部の炎症を抑える柴胡+黄芩

という組合せが配合されているからです。


食べられるようになるまでの時間を短縮するために、この注腸という

方法は大変役立ちます。もちろん大人でも有効です。誰がやるかは

さておき…。(笑)残念ながら五苓散にも柴苓湯にも予防効果は

ありませんから、手洗いはしっかりしてくださいね。

2015年1月29日 木曜日

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