ドラゴンズの17番と言えば雄太投手ですが、漢方薬の17番と
言えばご存知五苓散です。水毒を治す利水薬というグループの
代表選手ですが、現在大活躍中です。
五苓散はテレビ番組でも紹介されたので随分メジャーになった
漢方薬の一つです。めまいや頭痛に良いとか、二日酔いによいと
紹介されることが多いですね。この五苓散がなぜ活躍中なのかと
いうと、嘔気や下痢も緩和する作用があるからで、胃腸風邪全盛の
現在、大変重宝されているのです。
特に小児の場合、下痢や嘔吐が続くと脱水の危険性があります。
そもそも胃腸風邪には特効薬がないので、せいぜい整腸剤を処方
されて少しずつ水分を摂るよう指示されるだけだと思います。ここで
五苓散が活躍するんですねぇ。お湯にといた五苓散を、お尻から
注入するのです。これだと水分を摂るだけで吐いてしまう子にも
有効です。2〜3回やると随分嘔吐も下痢も軽くなります。
嘔吐が激しい場合は、五苓散に小柴胡湯という薬を合体させた
柴苓湯という薬の方が良いです。小柴胡湯には嘔気を抑える
半夏+生姜という組合せと、胸から腹部の炎症を抑える柴胡+黄芩
という組合せが配合されているからです。
食べられるようになるまでの時間を短縮するために、この注腸という
方法は大変役立ちます。もちろん大人でも有効です。誰がやるかは
さておき…。(笑)残念ながら五苓散にも柴苓湯にも予防効果は
ありませんから、手洗いはしっかりしてくださいね。