日本人の寿命が世界で一番長いのは誇れるところではありますが、
健康寿命との差が大きいことはあまり誇れることではありません。
健康寿命とは介護の必要なく過ごせる寿命ですが、実に日本人の場合
平均寿命と10年くらいの差があるそうです。つまり、日本人は
長寿ではあるけれど、晩年の10年は介護を要する生活を送っている
と言うことに他なりません。
こう言った現実が明るみに出るにつれ、介護を回避するための方策が
数々提出されてはいます。ロコモティブ症候群、サルコペニア、
フレイル…etc、それぞれ運動器症候群、加齢性筋肉減少症、虚労、
などと訳されますが、まあ要は老化ですわな。老化、と言うだけでは
あまり関心を引きませんから、このように症候化することにより、
警鐘を鳴らし予防に持ち込もうという作戦です。(多分 ^ ^;)
これ自体はとても意味のあることと思います。なんせ高齢者の医療費は
とんでもないことになっているので、少しでも予防できれば医療費削減
に繋げられるからです。ただ、実際は単なる老化現象でもあるので、
病名を付けても明確な治療法を提示できないのが大きな弱点です。
「あなたは実はサルコペニアなのです!」とドヤ顔で宣言しても、
「でも老化現象なので仕方ないのです!」としか言えなければさすがに
高齢者と言えども全力でツッコミを入れるでしょう。(笑)
まあ実際には「仕方ない」なんて言ってはいないのですが、提案する
予防法は現実離れしているか効果の薄いものが多いように思います。
運動にしても食事にしても続けられなければ何の意味もないので、
まずはシンプルで生活に落とし込むことができる方法でなければ
ダメじゃないかと思います。そしてそれは個人差が激しいでしょうし、
やり方を伝えれば必ず実行してくれるというものでもありません。
と考えると、本気で介護回避に取り組むのなら、どこにお金をかける
のが効率的か答えが出そうなものですが…。