粉瘤とはオデキの大きい版みたいなもので、毛穴に排泄物が
詰まって炎症を起こす病気です。炎症が起きなければ無症状
ですが、自壊すると悪臭のある内容物がドロッと出てきたり
します。
背中や臀部、脇など汗をかく部分に多いので、必然的にこの季節
は悪化する場合が多いんですね。何年も飼ってた(?)粉瘤が
ついに噴火した、とかしこりが急に赤く腫れてきた、とかで受診
されるケースが多いです。
いまだに「炎症があるうちは切開できないから痛み止めで様子見て」
なんて説明されることもあるようですが、これは全くの間違い。
内容物が原因で感染、炎症しているのですから直ちに切開して
中身を出さなければ症状はあまり変わりません。痛み止めも
効果が薄いでしょう。切開して中身を絞り出しても、それだけでは
また再発することがあるので、内容物を包んでいる袋も一緒に
取ることが重要です。切開と言っても麻酔しますし、そんなに
大きく切る必要もないので大丈夫です。むしろ内容物を絞られる
方が痛いかも?(^ ^;)
では粉瘤ができやすい条件ってあるのかが気になりますよね。これは
偶然できるものではなく、やはり感染を起こしやすい状態だから、
ということになりますが、それは糖過剰です。粉瘤の患者さんの
ほとんどは何らかの生活習慣病を持っていることが多いのですが、
生活習慣病の根幹には糖過剰があることは何度か紹介しました。
ここでも糖の過剰摂取が悪事を働いているんですなー。
できてしまったものは素直に切開するより仕方ないですが、できない
ようにする工夫も並行してもらうと、僕に全力で絞られずに済む
はずです。(笑)