院長室

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癌は身近な病気ー2

我々が言う癌の「早期発見」は癌目線で見ると結構晩期の状態である

可能性があると前回紹介しました。とすると、いかに眼で見える大きさ

になる前に癌の発育を抑えられるか、ということが重要になりますね。


癌の発育に関しては結構解明が進んでいて、正常の細胞との差が明らかに

なっています。大きな特徴として、癌細胞は発育に大量の糖を必要とする

ことが挙げられます。我々の細胞もエネルギー源として糖は必要ですが

癌は実にその6倍ほど必要だそうです。この性質を逆手に取ったのが

PETと高濃度ビタミンC点滴です。


PETは癌の画像検査として実用されていますが、これは糖に似た構造の

物質を体内に注入して癌細胞がそれを取り込む様を画像にしたものです。

またビタミンCは糖から合成されるので(ヒトは合成できませんが)その

構造が似ており、癌細胞が取り込みます。高濃度のビタミンCは過酸化水素

を発生させ、癌細胞を縮小させると考えられています。正常の細胞は過酸化

水素を消す酵素が存在するので高濃度ビタミンC点滴で正常細胞はダメージ

を受けない、という寸法です。


そうなると、高血糖状態というのは癌細胞がとても喜ぶ環境ということに

なりますね。実際に糖尿病の方が癌を発症する確率はとても高いことが

分かっています。やはり糖質過剰はアカンです。ゼロにする必要はないと

思いますが、少なくとも空腹状態で精製された糖質を摂ることは最も避ける

べき習慣です。ちなみに過酸化水素を消す酵素というのは鉄が必須なので、

鉄不足下では高濃度ビタミンC点滴が不向きとなります。


これからも癌については色々な研究がされていき、画期的な治療法が誕生

するかも知れませんが、少なくとも1cmの癌がある日突然発生するわけ

ではないと言うことは知っておくべきです。

2014年7月24日 木曜日

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