「漢方薬は長く飲んでやっと効く」というのが間違いだと言うことは
これまで何度か書いてきましたが、効いた漢方薬は一生飲み続けるのか?
という質問をしばしば頂きます。良い質問です。
答えは NO です。西洋医学と診断の仕方が違うだけで漢方薬も単なる薬
ですから、西洋薬に置き換えると分かりやすいかも知れません。痛み止めや
風邪薬など、症状が治ったら飲むのは中止になりますよね。予防のために
風邪薬を毎日飲んでいる人はいないと思います。
いやでも高血圧や糖尿病の薬は一生飲めって言われたけど?と思う方も
いるかも知れませんが、これは根本治療をしていないから飲み続けなければ
いけないということで、高血圧や糖尿の原因が治ってしまえばもちろん
中止して構わないわけです。
漢方薬も「飲み続けたら体質が変わる不思議な薬」ではないので、中止したら
症状が復活してしまう場合もあります。こういう場合はその原因を探りあて
原因に対する治療を併せる必要があります。逆に漢方薬を中止しても症状が
戻らない場合もあります。これは風邪やケガのように一過性の病態だったの
でしょう。
現実的には必ずしも原因がはっきりするわけではないので、効果のあった
漢方薬は落ち着いているのを見計らって減量していきます。それで症状が
戻らないのであれば、当然終了です。戻ってしまうようであれば再開して
原因を探りに行く、という手順です。
「いや、飲んでる方が安心だから続けるよ。」という方もたまにみえますが
漢方薬だから安全、ということは決してないので、なるべく不要な薬は飲まない
よう勧めています。