院長室

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プラつぶ

最近プラセンタのサプリメントが各種流通しておりますが、それを

「プラつぶ」なんて言うらしいですね。お肌に良いとか、疲れが取れる

とか主に女性をターゲットに宣伝されていますが、もともとプラセンタは

肝臓の薬です。アレルギーや不眠や倦怠感や更年期症候群など、使用する

場面は多岐にわたりますが、全て肝臓の機能が高まる結果です。


で、最近よく「プラつぶ飲んでいいですか?」なんて聞かれるわけですよ。

もちろん飲むこと自体は別に害はないんですが、結構軒並み高価なので、

費用対効果を考えるべきなんです。薬はどんな摂取の仕方をするにしても

結果的に血管内に入って目的臓器に到達し効果を発揮します。摂取の仕方は

大きく分けて、経口、皮下、静脈内の3ルートがありますが、ダイレクトに

薬剤を血管内に届けられる静脈内投与=血管注射が最も効果があるという

ことになります。その次に吸収効率がよいのは皮下注射です。皮下組織から

浸透して血管内に入ります。最も効率が悪いのが経口投与です。経口投与では

腸という“税関”をくぐる必要があるので、どうしても思った通りに薬剤が

届かないんですね。反面、副作用を防ぐには適しているわけですが。


さらに、市販のサプリメントに本当に表示量通りに成分が入っているか、

と言う問題があります。実は現行の法律では、原材料の表示義務はあっても

内容量の表示義務はないんです。つまり表示通りに入っていなくても、罪に

問われないんですよ。ということは中にちゃんと入っているかは、メーカー

の良心次第。(笑)これはちょっと頼りないですね。


ということで、「プラつぶ」は高くて効率が悪いと考えるのがようさそうです。

他の市販のサプリメントでもそうですが、1ヶ月飲んでみて効果が感じられない

ものは中止すべき、とお話するようにしています。

2012年12月13日 木曜日

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