院長室

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がんの治療

立て続けに芸能人の癌関連の報道がありました。中村勘三郎さんは残念ながら

亡くなってしまいましたが、宮迫さんは手術で根治が可能だそうです。

勘三郎さんの死因はARDSという呼吸不全なので、直接癌とは関係ないかも知れ

ませんが、抗がん剤治療が遠因になってはいるので、やはり癌関連の死と言える

でしょう。


日本人は世界的に見ても飛び抜けて癌が多い民族です。僕はその原因は「真面目さ」

じゃないかと思っていますが、治療はとても褒められたものではないですよね。

長時間に及ぶ手術、抗がん剤と放射線、それらが3種の神器のように言われますが

どれも合併症や副作用が強いものばかりです。特に肺癌はこれらの治療でも歯が

立たないのが現状です。癌が多い民族だからこそ、もっともっと研究して多角的な

治療法を提案していくべきだと思います。言い方は良くないですが、症例数が多い

ので統計データも取りやすいはずです。


具体的に素晴らしい治療法があるわけではないし、3種の神器もやはり必要だとは

思うのですが、どうも「癌を退治する」ことにしか目が向けられていない風潮が

蔓延していると思うのです。癌ができるのにも必ず原因があるはずですから、本来的

にはその原因を改善することで治療は完結すると思います。どんな素晴らしい手術

も新しい抗がん剤も、結局は対症療法の域を出ないんですよね。発生の予防には

繋がらないわけです。


最近では「癌とは共存する」という考え方が広がりつつあります。癌があったって

元気な人も確かにいるのですよね。こういう発想の転換が必要な分野だと思います。

ちなみに宮迫さんの「腹腔鏡下幽門側胃切除術」というのはお腹を切らないで、カメラで

見ながら胃を1/3くらい切る手術で、最小の侵襲でできるので早期胃癌で間違いないし

復帰も早いと思います。ただやはり何か再発対策は絶対にすべきだと思います。

お笑いの方はともかく、何たって芝居がウマイもの。(^ ^)

2012年12月6日 木曜日

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