院長室

« 9月 2019 10月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

神経線維破壊症候群

これは正式な病名ではなく、神経線維が破壊されることに

よる激しい疼痛を主訴とする疾患群の総称です。例えば、

三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛、複合性局所疼痛症候群、

などが挙げられます。これらは難治病の代表選手でもあり

一度この病態になるととても治療が困難です。治療が困難な

だけでなく、痛みのせいで日常生活もままならなくなるため、

患者さんは痛みだけでなく、社会的にも大変な苦痛を強いられる

ことになります。


西洋医学的にはただひたすらに対症療法しかありません。最近

ではリリカやトラムセットという新薬も発売されて期待が

寄せられてはいますが、やはり対症療法であることに変わりは

ありません。全例に効果があるわけでもなく副作用も結構な頻度

であるので、福音とはなっていないのが現状です。あとはブロック

注射などに終始するしかなく、はっきり言って西洋医学的には

お手挙げな病態なんですね。


僕がそもそも遠絡療法に関心を持ったのもこの神経線維破壊症候群

が治せる、という謳い文句があったからです。確かに西洋医学的な

治療とは違う効果を上げます。現状、神経線維破壊症候群と真っ向

から戦える唯一の治療法なのではないかと思いますが、遠絡療法の

弱点はやはり治療そのものが痛いことです。「普段の痛みに比べれば…」

と歯を食いしばって治療に耐える患者さんを見ると、何とか治さねば

と気が引き締まります。神経線維の回復は良くて1日1mmなので、

例えば指1本に症状があればそれだけでも100日くらい時間を要する

ことになります。ですから、例え遠絡療法が効果があっても、完治には

数ヶ月要するのが普通です。痛い上に治療期間が長引くことも患者さんを

疲弊させます。


まだまだ改良の余地の多い遠絡療法ですが、副作用が無いことが救いで、

不謹慎ではありますが、戦える武器を持っていることは僕にとって幸せ

なことです。治せないとこれがまたとてつもなく悔しいんですが(^ ^;)、

遠絡療法に限らず、難治と言われ疲れ切った人を救える医師でありたいと

思います。

    2012年6月28日 木曜日

    カテゴリー 院長室

    タグ