今日で今年度の(?)低温熱傷の患者さんがすべて無事
上皮化しました。もちろん植皮術を行った方はいません。
壊死層を切除してひたすら湿潤環境にしただけです。
ただ、低温熱傷の場合、痕が結構目立つのが困りものなん
ですよね。
その程度はもちろん障害深度によりますが、通常の熱傷に
比べると圧倒的に色素沈着の度合いが高度です。ただ患者さん
によっても程度が違うのは事実で、痕が残りやすい人と
そうでない人にはどんな違いがあるのでしょう?
それはやはり栄養状態によるのではないかと思います。要は
「治るための材料と道具」が十分であるか、ということです。
我々の身体のほとんどはタンパク質でできていますから、この
場合も材料=タンパク質です。
では道具は何かというと、数種類ありますが重要なのは亜鉛です。
あまり聞き慣れないミネラルですが、亜鉛は生理機能の中でも
とても重要な仕事を担っています。その仕事の一つが皮膚を再生
させることです。アトピー性皮膚炎など皮膚のトラブルを抱えて
いる方なんかも、結構亜鉛不足になっている場合が多いです。
では亜鉛は何に多く含まれるかというと、有名なのは牡蛎ですよね。
でもまあ漁村でもない限り日常的に食べるものでもないですから、
一番手っ取り早いのは動物の肉です。また出たか!って感じですよね。(笑)
キズの治りを良くするためには、やはり肉食の方がいいんですねぇ。
高齢者のキズが治りにくかったり、若いやせた女性の低温熱傷が
色素沈着を起こすのはこの辺りに原因があるのだと思われます。
時代は肉食だぜぇ。ワイルドにねぇ。(^皿^)