院長室

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胃腸風邪蔓延

インフルエンザの話題もチョコチョコ聞きますが、

現在なぜか胃腸風邪が流行っています。あまり高熱

は出なくて突然の嘔吐、下痢で発症するという

パターンです。


こういう炎症症状があまり前面に出ていない病態は

西洋医学はほとんど無力です。嘔吐下痢による脱水を

防ぐために点滴をするのが関の山。嘔吐や下痢はウィルスを

体外に排出する反応だから仕方がない、あとは寝てるだけ、

みたいな。


では漢方薬ではどうかというと、半夏瀉心湯という薬や

柴胡桂枝湯という薬など候補はたくさんあります。

実際、結構効果があるのですが、嘔吐や下痢が頻回な場合

では薬がすぐ排出されるので、やはり無力と言わざるを

得ません。湯に溶いた漢方薬を肛門から管を挿入して

経直腸的に吸収させるという荒技(^ ^;)もあるのですが、

これだって下痢がひどければ無効です。


消化管が使用できない以上、やはり直接血管に投与するのが

論理的なんですが、漢方薬の注射液は開発されていません。

西洋薬では点滴液に吐き気止めや整腸剤を入れる工夫をしますが、

こういう時に漢方の点滴用製剤があればなあ、と思います。

薬価の問題や、生薬輸入の問題で漢方メーカーはどこも汲々と

していますが、点滴製剤を開発できたら救急でも使用されて

随分と重用されると思うんだけどなぁ。

メーカーの偉い人、これ読んでたら連絡下さい。(笑)

2012年4月23日 月曜日

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