院長室

« 7月 2024 3月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

低けりゃいいってもんじゃない

CMやテレビ番組でさかんに「コレステロールを下げましょう!」

とアナウンスしています。心筋梗塞や脳梗塞といった生命に直結する

病気の原因となる動脈硬化を防ぐことが狙いです。もちろんそれに

嘘はないんですが、問題はその基準です。


現在日本ではLDLコレステロールが140を超えると「高脂血症」

という診断になり、動脈硬化の危険度が高いという判断の下、

コレステロール値を下げる薬が処方されたりします。でも超えては

いけない基準はあっても、これ以上下がってはいけないという基準

はないんですね。ですから、どうしてもコレステロール値は

「低かろう、良かろう。」という発想になってしまいがちです。


ちなみに世界的にはコレステロール値の基準は日本よりも高くて、むしろ

高い方が寿命が長い、なんて発表もあるくらいです。なぜ日本がそれを

採用しないかは、…まあ、保守的だから、とだけ言っておきましょうか。(^ ^;)


で、コレステロールを下げ過ぎるとどうなるかと言うと、これがまた

大問題を引き起こすんですよ。コレステロールはステロイドホルモンと

性ホルモンの原料になります。性ホルモンが十分できなければ月経異常や

不妊の原因になりますし、ステロイドホルモンはストレスに対処する役目を

担っていますので、ストレスに弱い体になってしまします。やたら疲れやすい

とか、風邪を引きやすいとか、もしかしたら低コレステロールのせい

かも知れません。


そしてこういったコレステロール値が低い人が結構見逃されているのが

現状です。コレステロールの大部分は肝臓でタンパク質やビタミンを利用して

作られるので、やはりここでも動物性タンパクをしっかり摂ることが重要に

なってくるんです。

2012年2月23日 木曜日

カテゴリー 院長室

タグ