CMやテレビ番組でさかんに「コレステロールを下げましょう!」
とアナウンスしています。心筋梗塞や脳梗塞といった生命に直結する
病気の原因となる動脈硬化を防ぐことが狙いです。もちろんそれに
嘘はないんですが、問題はその基準です。
現在日本ではLDLコレステロールが140を超えると「高脂血症」
という診断になり、動脈硬化の危険度が高いという判断の下、
コレステロール値を下げる薬が処方されたりします。でも超えては
いけない基準はあっても、これ以上下がってはいけないという基準
はないんですね。ですから、どうしてもコレステロール値は
「低かろう、良かろう。」という発想になってしまいがちです。
ちなみに世界的にはコレステロール値の基準は日本よりも高くて、むしろ
高い方が寿命が長い、なんて発表もあるくらいです。なぜ日本がそれを
採用しないかは、…まあ、保守的だから、とだけ言っておきましょうか。(^ ^;)
で、コレステロールを下げ過ぎるとどうなるかと言うと、これがまた
大問題を引き起こすんですよ。コレステロールはステロイドホルモンと
性ホルモンの原料になります。性ホルモンが十分できなければ月経異常や
不妊の原因になりますし、ステロイドホルモンはストレスに対処する役目を
担っていますので、ストレスに弱い体になってしまします。やたら疲れやすい
とか、風邪を引きやすいとか、もしかしたら低コレステロールのせい
かも知れません。
そしてこういったコレステロール値が低い人が結構見逃されているのが
現状です。コレステロールの大部分は肝臓でタンパク質やビタミンを利用して
作られるので、やはりここでも動物性タンパクをしっかり摂ることが重要に
なってくるんです。