院長室

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漢方のぬり薬

保険で使える漢方薬は約140種類ありますが、その中に1つだけ

外用薬としてぬり薬があります。その名も紫雲膏(シウンコウ)。

一般薬局でも販売されており、効果効能は熱傷と痔核です。

ヤケドと痔にどういう関係があるのか不明ですが(^ ^;)、その名の

通り紫色をしており、結構独特のにおいがあります。上記の効能

以外にもアトピー性皮膚炎や肌荒れにも使用できます。


病院で使用する紫雲膏は “伸び” が悪いのでプラスチベースと混合して

塗りやすくして使用していましたが、服に色が移るとか臭いのせいで

あまり評判は芳しくなく…。

一応、配合される紫根という生薬に創傷治癒効能があるそうですが、

湿潤療法で十分創治癒を得られるようになってからは、使用機会が

激減してしまった可哀想な薬でもあります。(笑)


さらに追い打ちをかけるように、湿潤療法の産みの親である夏井先生の

サイトで、表皮剥離創への紫雲膏塗布実験が行われ、その結果紫雲膏

塗布部に痛みが出たようなんです。こうなるとますます使いづらくなる

わけで、ウチでも薬庫の棚で肩身が狭そうにしています。

過去に効いた症例もあったので、何が良くてどうすると悪いのか判然と

しませんが、なにか使い道を模索してやりたです。

2012年1月26日 木曜日

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