この冬はヤケドの患者さんが少なく経過していましたが、
冬の風物詩(?)とも言える低温ヤケドはやはりやってきました。
通常のヤケドは見た目は派手になりますが、熱源と接している
時間が短いため、比較的浅い層の障害のみになります。それに
比べ低温ヤケドは、長時間じっくり熱せられるため、その障害は
皮下脂肪組織にまで及びます。
これが実に厄介で、見た目は大人しそうに見えて、深いところで
じわじわ壊死が進行します。そして発生してから2週間くらいして
急に赤く腫れ上がり、次第に真っ黒になってしまうのです。
もうこうなると切開して皮下の壊死物質を排出するしかなく、
処置はトータル2〜3ヶ月に及んでしまいます。しかも壊死するか
どうかは予測不能なのでなんとも予防のしようがありません。
必ずこの経過をたどるわけではないですが、かなりの率でこうなる
ので低温ヤケドは怖いのです。低温ヤケドの患者さんがみえると、
脅すようですが上記のお話をして、もし壊死しなかったらラッキー!
というように説明しています。
湯たんぽやカイロを直接皮膚にあてない、こたつに入ったまま寝ない、
ストーブの前で寝ない(←実例 ^ ^;)など十分にお気を付け下さい。