院長室

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風物詩?

この冬はヤケドの患者さんが少なく経過していましたが、

冬の風物詩(?)とも言える低温ヤケドはやはりやってきました。


通常のヤケドは見た目は派手になりますが、熱源と接している

時間が短いため、比較的浅い層の障害のみになります。それに

比べ低温ヤケドは、長時間じっくり熱せられるため、その障害は

皮下脂肪組織にまで及びます。


これが実に厄介で、見た目は大人しそうに見えて、深いところで

じわじわ壊死が進行します。そして発生してから2週間くらいして

急に赤く腫れ上がり、次第に真っ黒になってしまうのです。

もうこうなると切開して皮下の壊死物質を排出するしかなく、

処置はトータル2〜3ヶ月に及んでしまいます。しかも壊死するか

どうかは予測不能なのでなんとも予防のしようがありません。


必ずこの経過をたどるわけではないですが、かなりの率でこうなる

ので低温ヤケドは怖いのです。低温ヤケドの患者さんがみえると、

脅すようですが上記のお話をして、もし壊死しなかったらラッキー!

というように説明しています。


湯たんぽやカイロを直接皮膚にあてない、こたつに入ったまま寝ない、

ストーブの前で寝ない(←実例 ^ ^;)など十分にお気を付け下さい。


2012年1月16日 月曜日

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